
フコキサンチンとは、褐藻類つまりコンブ、ヒジキ、ワカメなどの葉緑体に含まれているカロテノイドの一種です。
カロテノイドとは天然の色素化合物で、代表的なものとしてカボチャやニンジンなどの緑黄色野菜に含まれるβカロチンがあります。
鮮やかな黄色や赤色をした化合物は、言い換えれば、その分子は白色の太陽光のうちある特定の光だけを吸収する働きを持っているということです。
植物においては光合成の補助的な役割をしていることもありますが、これはまさに光を吸収する働きを持っているからこそできることです。
フコキサンチンも、純粋なものは鮮やかな赤色をしています。
しかしながら、コンブなど最初に挙げた海藻のいずれも、決して赤い色はしていません。
そもそも褐藻という名前のとおり褐色なのです。
これは何かの間違いということではなく、化合物の含有量が極めて微量だからで、多いものでも乾燥重量のわずか0.1%程度しか含まれていません。
緑黄色野菜のように色の濃い食べ物が体に良いとされるのは、色素化合物は単にある光を吸収する働きを持つのみならず、そこから派生して様々な生体的活性を持つことが経験的に知られているからと考えられます。
フコキサンチンは緑黄色野菜に含まれるβカロチンなど他のカロテノイドとは比較にならないくらい微量しか天然に存在しておらず、その機能性はまだまだ研究途上にありますが、今後いろいろな進展があるものと期待され、注目されています。